消滅時効の援用 雑感①

有難いことに、近年、消滅時効の援用のご依頼を多く頂いております。そこで最近受任した各業者に対する消滅時効の援用の結果について記載したいと思います。

2022年10月受任、同年11月受任 オリンポス債権回収

オリンポス債権回収は、札幌に本店を置く会社で、主にシーエスジーという会社から債権回収業務を受託しています。シーエスジーという会社は、CFJという会社などから債権を譲り受けているようです。CFJは、ディックファイナンス・アイク・ユニマットレディスが合併してできた会社であり、以前、これらの会社から借入があって完済に至らなかった方はオリンポス債権回収から請求が来るかもしれません。

オリンポス債権回収に関するご相談で多いのが、裁判所から支払督促が届いたというご相談です。

2022年10月に受けた方も11月に受けた方も、支払督促が届きご相談を頂きました。いずれも督促異議を裁判所に申し立てたところ、裁判が取下げられ、その後、内容証明郵便にて消滅時効を援用し、無事解決に至りました。

2022年11月受任 アイフル・旧ライフ

アイフルは、アイフル自体が貸し付けていた債権の他、ライフという会社が保有していた債権を承継している場合があります。

今回のご相談は、元々、ライフで借り入れた債権についてのご相談で、裁判を起こされ、その際、裁判上で和解を行い、しばらく支払いを継続した後、支払が出来なくなってしまった件でした。

裁判上で和解を行った場合、判決を取られてしまった場合同様、時効期間は5年から10年の伸長されます。

ご相談者様のご記憶では、最終の取引日は10年くらい前だったはずとの事でしたので、状況をはっきりさせたいとのご意向であったため、ご依頼頂きことになりました。

その後、アイフルから裁判時の和解の決定書と債権届が届き、内容を確認してみると、債権届が届いたちょうど数日前に、最終取引日から10年を経過したところでした。時効期間の起算日は、正確には最終取引日ではないため、いろいろと検討の上、内容証明郵便にて消滅時効を援用し、無事解決に至りました。

なお、この方の件ついては、アイフルから直接借入をしていた分もあり、合わせて取引履歴が届きました。この兼につきましても通常通り完済されたものではなかったものの、かなり以前のお借入分であったため利息制限法に基づいて再計算すると若干の過払いになっている件でした。過払い金については、改正前の民法が適用される場合、10年以上前のものは逆に時効にかかってしまい、過払い金を返還してもらうには至りませんでした。

2023年2月 アペンタクル

アペンタクルは、以前、ワイドという名称で消費者金融業を行っていた会社です。

受任後、10日から2週間ほどでアペンタクルから取引履歴が届きました。取引履歴を確認すると最終取引日から5年以上経過しておりましたので内容証明郵便にて消滅時効を援用し、無事解決に至りました。

2023年2月 アコム

Aさん

ご相談頂いた際、アコムから届いていた督促文書に過去訴訟をしている旨の記載があり、受任後、アコムから取引履歴が届いた際に確認すると8年ほど前に判決を取られていたことが分かりました。Aさんご自身は、裁判を起こされたご記憶はないというお話でしたが、状況をご説明の上、現在、和解に向けて交渉中です。

Bさん

ご相談頂いた際のお話でも、裁判などを起こされたことはないお話でしたので、受任後、アコムから取引履歴届き、最終取引日から5年以上が経過していることを確認。内容証明郵便にて消滅時効を援用し、無事解決に至りました。

2023年2月 SMBCコンシューマーファイナンス(プロミス)

SMBCコンシューマーファイナンス(プロミス)は、延滞の方について、比較的早い段階で裁判を行っている事もあるため警戒しておりましたが、受任後、取引履歴を確認すると、特に裁判に関する記載はありませんでした。その後、内容証明郵便にて消滅時効を援用し、無事解決に至りました。

2023年2月 日本保証(弁護士法人引田法律事務所)

日本保証は、旧武富士の債権を承継した会社で、その回収業務を引田法律事務所に委託しているようです。

旧武富士が会社更生法の適用を受けた際に支払いをしなくなってしまい、その後弁護士の方から督促状が届き、ご不安に思ってご相談に至ったという方が多い印象です。

しかし、時効に関して申し上げますと、要件を満たしていいれば認められないということはありません。

受任後、取引履歴が届き、内容を確認すると、最終取引日から5年以上経過しておりましたので、内容証明郵便にて消滅時効を援用し、無事解決に至りました。

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