ハイブリッド型バーチャル株主総会

2020年2月26日に経済産業省より、株主総会の開催方法について、ハイブリッド参加型とハイブリッド出席型の2つのバーチャル株主総会の方法が「ハイブリッド型バーチャル株主総会の実施ガイド」により示されました。

バーチャル株主総会とは、オンライン上で株主総会を行う方法ですが、株主総会を行うにあたっては「開催場所」を設定することが会社法第298条第1項により求められており、完全にオンラインによって株主総会を開催することは難しい状況です。

そのため、「実開催」+「オンライン」によるハイブリッド型として、バーチャル株主総会の方法が示されております。

ハイブリッド参加型バーチャル株主総会

ハイブリッド参加型バーチャル株主総会とは、株主総会の開催場所で出席する方法と、インターネット等により株主総会に「参加」する方法を兼ね備えた株主総会です。ここで、参加と記載しておりますのは、インターネット上で参加したとしても株主総会への「出席」とは取り扱われないためです。そのため、議決権行使の方法や動議等、実際に開催場所で出席した株主とは取り扱いが異なることになります。

議決権行使

「委任状」「書面または電磁的記録による事前の議決権行使」により行います。

参加方法

株主総会当日、会社指定の方法によりWebサイト等にアクセスし、株主総会を視聴します。

質問・動議

参加型による場合、「委任状」「書面等による議決権行使」による出席扱いとされるため、実際に出席した株主のように、会社法上の質問(第314条)や動議を行うことはできません。

ただし、会社の判断により、「コメント」を事前に受け付け、総会中に回答したり、総会中や総会後にコメントを紹介、回答することは可能とされます。

株主総会議事録

株主総会議事録には、一般に出席株主数・出席議決権数を記載しますが、参加型の場合はインターネット等により参加した方々は出席者ではなく、実際の出席、委任状出席、書面等による議決権行使による出席をした方々を記載します。

ハイブリッド出席型バーチャル株主総会

ハイブリッド出席型バーチャル株主総会とは、開催場所にて実際に株主総会に出席した株主はもちろん、インターネット等により出席した株主も「出席」したとする株主総会です。そのため、インターネット等により出席した株主にも実際に出席した株主と同じ環境が整えられている必要があり、情報伝達の双方向性・即時性が求められます。また、出席型の場合、株主総会の招集のための取締役会で、インターネット等により出席できる旨を開催場所に準じて決議する必要があります。

議決権行使

インターネット投票等により行います。

出席方法

会社から各株主に対して、固有のID・パスワードを通知し、システムにログインして出席や本人確認を行います。

質問・動議

バーチャル出席株主については、質問や動議の提出を制限することも可能です。

株主総会議事録

先述のとおり、出席型の場合、株主総会における情報伝達の双方向性・即時性が求められます。

そのため、一部の株主がシステム上で出席した旨、システムが途切れることなく正常に稼働し、総会の間途切れることなく稼働した旨などを記載する必要があります。