消滅時効と支払督促①

消滅時効の時効期間が経過した後であっても、消滅時効の援用を行わないままにしていると債権者から「支払督促」という訴訟手続を行われる可能性があります。

「支払督促」とは、簡単に申し上げますと、書面のやり取りだけで、強制執行を行うことができる権利である「債務名義」を取得できる手続です。

手続的には、概ね下記のような流れになります。

  1. 債権者から裁判所へ支払督促の申立て
  2. 裁判所から債務者へ支払督促正本の送達
  3. 債権者から裁判所へ仮執行宣言申立て(送達後2週間以内に督促異議がない場合)
  4. 裁判所から債務者へ仮執行宣言付支払督促正本の送達
  5. 確定(仮執行宣言付支払督促送達後2週間以内に督促異議がない場合)

仮執行宣言付支払督促が送達、確定すると、債権者は、給料差押や預貯金口座の差押といった強制執行手続や財産開示手続など民事執行手続が可能となります。

時効期間経過後の支払督促への対応

上記2または4により「支払督促」または「仮執行宣言付支払督促」が送達された場合、送達された日(受け取った日)の翌日から2週間以内であれば、「督促異議」の申立てを行うことが可能です。

督促異議を申し立てることで、支払督促手続は通常の訴訟手続へと移行します。

消滅時効の期間が既に経過し、時効中断(更新)事由もない場合、通常の訴訟手続上で消滅時効の援用を行うことで債権者側の債務名義の取得を阻むことが可能です。

本年4月1日の民事執行法の改正により、財産開示手続を行うための債務名義に仮執行宣言付支払督促が加えられ、また債務者情報の取得手続が新たに創設されました。これにより、債権者側としては、強制執行の実効性が高まったと言えます。しかしながら、適時適切な対応を行うことで消滅時効による解決を図ることができる場合がございますので、裁判所から支払督促が届いた場合には、すぐにお近くの専門家にご相談ください。

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